【四字熟語の処世術】疑心暗鬼

 Date:2012年10月18日16時52分 
 Category:文学・語学 
 SubCategory:四字熟語の処世術 
 Area:指定なし 
 Writer:遠道重任
疑心暗鬼(ぎしんあんき)


 マヤの予言の話を耳にした。なんでも今年の12月21日が人類滅亡の日なのだという。詳しい内容は知らないが、巷で広がるこの予言の内容に疑心暗鬼となっている人もいるに違いない。

 「1999年7の月、恐怖の大王が降ってくる」というノストラダムスの大予言も当時は多くの人々を怖がらせた。コンピュータ関連のでも2000年問題が取り上げられるなど、世の中は何かと騒然としていたように記憶している。しかし、何事もなく2000年を迎えた。

 今年も同様に何事もなく翌年を迎えることができるのだろうが、とはいえ、地球の環境変化はマヤの予言があたかも現実となるのではと思わせるような状況にあることは間違いない。そのうち何かが起こる…そんな不安定な毎日を我々は送っている。

 東日本大震災から早1年半が過ぎたが、あの悪夢が再びと蘇る日が来ないとも限らない。もちろん、日本だけの問題ではない。世界中のどこかで何かが起こる可能性は相当に高いのだ。

 地球温暖化がもたらす影響は想像を絶した速さで我々に襲いかかろうとしている、と先日観たテレビで話していた。北極圏や高山の氷河、氷床、永久凍土が融解をはじめ、そのスピードは想像以上だと…。その先に来るものが何かは、すでに多くの専門家が指摘しており、我々の日常生活にも大きな影響を与えることは明らかだ。現に、日本でも「初めての経験」と被災者が語る豪雨や熱波、寒波、強風などで甚大な被害が生じている。

 そしてまた、こうした環境異変による被害は政治や経済、はては国際問題へと発展しかねない要素を含んでいる。穀物の不作や水不足などが最終的には何を引き起こすのか、それはこれまでの歴史が証する通りである。違いがあるとすれば、そこに生じる混乱が一国内に留まらず地球規模で起こり始めるということだろう。

 「疑心暗鬼」…辞書には、「疑いの心があると、なんでもないことでも怖いと思ったり、疑わしく感じることのたとえ。」とある。巷で囁かれるマヤの予言が、単に人々に疑心暗鬼を生じさせているだけで、何事もなく終わるならいいが、時は別としても、予言の真意が現実になる日が近くにあるようで不安は尽きない。

 果たして人類に救いの道はあるのだろうか。今こそ一人ひとりに内在する智慧を明らかにし、輝かさなければ時なのだが…。