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【四字熟語の処世術】一触即発
Date:2013年04月01日14時20分
Category:
文学・語学
SubCategory:
四字熟語の処世術
Area:
指定なし
Writer:
遠道重任
「一触即発」(いっしょくそくはつ)
世界中にきな臭い話が満ち満ちている。世界は今一触即発の事態に陥っているといっても過言ではない。
世界経済に大きな影響を与えそうなキプロスの金融危機は、欧州・ロシア経済はもとより、漸く景気回復に沸く日本にだって影響を与えかねない。
隣国中国の中華思想にも懸念が広がっている。海洋権益を広げようとする中国の新たな指導者のスローガンは中華民族の復興である。西戎・北狄・東夷・南蛮と自国を中心に据えて周辺国へ貢物を献上させた嘗ての風習を、現代社会に蘇らそうとでも言うのであろうか。大国が軍事力を傘に傍若無人な振る舞いをすれば、近隣のアジア諸国に不安が広がっていくのは自明である。
更に隣国北朝鮮の若き指導者の言動も過激の度合いを強めている。国際社会の忠告には耳を貸さず、三度目の核実験を強行し、挙げ句の果ては一方的に南北の休戦協定を白紙に戻した第一書記は、さらに激しさを増して国際社会へ挑戦状を叩きつけている。
この間の新聞の見出しには、「今から戦時」と特別声明=挑発なら「全面、核戦争」―北朝鮮、“北”が射撃待機状態 ソウル市民に不安広がる、金正恩氏、米軍基地へ「射撃待機状態」指示 等々、まさに戦争前夜の様相を伝えている。
一方、自然界に目を転じても、地球の悲鳴が我々にも聞こえ始めている。異常気象が常態化し、最早異常に鈍感になってしまった感のある我々だが、地球温暖化がもたらす気象異変は、日常的に我々を恐怖に追いやっている。ゲリラ豪雨や暴風雪、竜巻や巨大台風など、これまで経験したことのないような自然の猛威が身近にある。
しかしである。現代人は、まさに茹でカエル現象で語られる死にゆくカエルの状態にあるように見える。目前の恐怖に成す術なく、享楽に目を移して見て見ぬふりをし、一時の安心を追い求めている。
話を戻すが、イスラエルとイランの関係も予断を許さない。一旦、軍事衝突が起これば中東全域が巻き込まれる可能性が高い。北朝鮮も今はアメリカ、韓国、日本を名指しし、威嚇を繰り返しているが、中国やロシアなど意外なところに飛び火する可能性だって否定できない。異常気象が続けば食糧不足に陥る国、疫病の流行で混乱を来す国などが増えることも否定できない。
何もかもが一触即発の時代に入ってしまった今、我々は誰に、どこに、救いを求めればいいのだろうか。
明日から4月。最早、待ったなし、八卦良い(はっけよい)の秋(とき)である。