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【四字熟語の処世術】「五風十雨」(ごふうじゅうう)
Date:2015年10月05日10時48分
Category:
文学・語学
SubCategory:
四字熟語の処世術
Area:
指定なし
Writer:
遠道重任
近年、気象の変化がやけに気になるのは私だけだろうか。これまでなかったような豪雨や台風が日本を含むアジア各地を襲っている。
10月はじめ九州から北海道まで各地で猛威を振るった爆弾低気圧の被害は甚大だった。9月に発生した台風18号は記録的な大雨で関東北部、特に鬼怒川水系の堤防を決壊させ広い水域を水没させた。自衛隊などによる人命救助活動の映像は自然災害の凄まじさを伝えていた。
日本ではないが9月28日、台湾を襲った台風21号は風速80mに及び、駐車中の車を横転させ、走るバイクを横倒しにし、歩行者を吹き飛ばした。風で人が吹き飛ばされる光景など、あまり見たことがないだけに、その程度を測りかねた。
加えて、火山活動も激しさを増している。昨年9月、死者行方不明者63名を出した長野県御嶽山の噴火は記憶にまだ新しいが、今年に入っても、5月に神奈川県の箱根山で火山性地震が頻発しはじめ、同月末には鹿児島県口永良部島の新岳で爆発的噴火が発生。島全体への避難指示も出された。6月には長野県と群馬県の境にある浅間山が噴火。8月には鹿児島県桜島で火山性地震が多発し始め、9月はじめに昭和火口で噴火。9月中旬には熊本県阿蘇山が噴火している。
防災意識の高まり、科学技術の進化、そして防災対策の充実でこうした気象異変による被害は従来に比せばかなり低く抑えられているとは思うが、自然との戦いには限界を感じてしまうのもまた事実である。
五風十雨(ごふうじゅうう)…五日に一度の風が吹き、十日に一度の雨が降る…これは気候が穏やかで順調であり、農作物に良い環境であることを表し、転じて世に道徳が行われ、安泰であることを例えた言葉とされる。
中国では前回「鼓腹撃壌」で紹介した堯帝やその後を継がれた舜帝の時代が理想的な治世の世であったとされている。帝の徳が隅々にまで行きわたり、天はその徳を良しとされ、自然も穏やかに人々を潤したという。まさにその時代、五風十雨の気候は万物を慈しみ、農作物を育て、豊かな実りが民に安らぎを与えたとある。
徳政(帝の徳による政治)は人々の心を穏やかにし、その心が自然によき影響を及ぼし、自然もまた安らかとなって人々に豊かな恵みを与える。人と大自然の間に生まれるこの良き循環こそが治世の範とも言えるのではないだろうか。
現在を見るにどうか…。自然が猛威をふるって人々を苦しめる様は、もとより人の悪しき心、悪しき行いが自然に悪影響を及ぼし、自然を苦しめた結果もたらされたものなのではないだろうか。少なくとも巨大化する台風、爆弾低気圧の発生などは、地球温暖化と関係がないわけではあるまい。
五風十雨、この四字熟語が教えるのは人間と自然との調和、それは人の心のあり方がまず問われているということではないだろうか。