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【四字熟語の処世術】「猪突猛進」(ちょとつもうしん)
Date:2016年10月04日10時40分
Category:
文学・語学
SubCategory:
四字熟語の処世術
Area:
指定なし
Writer:
遠道重任
92歳になる叔母が最近、殊の外元気が無いような気がする。叔母は毎日、少し離れた小高い山にある小さな畑で野菜を育てるのを日課としていた。私でさえそこに行き着くまでに息が上がってしまうのに、叔母の足取りはいつも軽やかだった。
その叔母が最近はあまり畑に行かなくなった。理由は猪だった。これまでにない猪の繁殖で、あちこちの農家や家庭菜園が被害に遭っていた。ここ数年の出来事らしい。周りを防護柵で囲ってはいるが、猪の力技の前には皆が泣かされていた。叔母の畑も例外では無く、今年は夏の暑さも手伝ってか、野菜を作る気力を無くしてしまったようだった。
数年前のことだが、夜中、近くのレストランに猪が入り込み、何やら食べ物を漁っているところに、早朝、出勤した従業員とはち合わせした。双方ともに驚いたろうが、猪は正面のガラス張りのドアを突き破り、街中の車道を走って山の方に逃げたと、地元のテレビ局が珍事として報道していた。レストラン正面のガラスドアと言えばかなり厚みのあるガラスだったろうが、猪にとっては山の中の障害物と何も変わらなかったようだ。
猪突猛進という言葉がある。猪が脇目も振らず一直線に前進する姿を表現したものだ。転じて目標に対して、向こう見ずに突き進むことを指して、日常的に使われている。前回の意気衝天で紹介した某中学校の新聞に掲載された紅組のスローガンが「猪突猛進」だった。干支が亥(い)の年の年賀状には「猪突猛進」の四文字を多く見かけることからもお馴染みだ。
猪も子供の瓜坊はかわいい存在だが、成長した猪は作物に害を与えるだけに、そうも言っておれない。人も若い頃なら自分の思うところに向かって一途に進むことが良しとされるが、年を重ねてからは周囲への気配りもなしに突き進むことは独りよがりと、周りには受け入れられない。
事に当たっては冷静さを失わず、周りの空気を良く見極めた上で、進むときは猪突猛進して困難を乗り越える。その気概こそが事を成就させる上で大切な事だと思う。