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【街景寸考】デモと日本人のこと
Date:2021年04月28日08時01分
Category:
エッセイ
SubCategory:
街景寸考
Area:
指定なし
Writer:
大昭寺いさじ
10年ほど前、「アラブの春」と呼ばれた反体制デモが中東・北アフリカ地域の国々で巻き起こった。これらのデモで政権が崩壊した国もあれば、既存の体制のままの国もあり、シリアのように今も混乱と破壊が続いている国もある。いずれも民主化を求めるデモだった。
以降、「アラブの春」が火付け役になったかのように世界各地で大規模なデモが増えてきた印象がある。一昨年の香港市民による民主化デモは記憶に新しい。現在は中国の国家安全維持法の制定により取締りが強化されて下火になったが、それまでは1年以上にも亘って毎日のように自由と民主主義を守ろうとするデモが続けられていた。
韓国では反日デモが断続的に行われているが、5年前はパク・クネ大統領の退陣を求めるデモがあり、一昨年は前法務部長官チョ氏の不正疑惑に対する抗議デモがあった。現在は公務員の不正投機による不動産の高騰問題のことで反政府デモが行われている。
アメリカでは昨年、白人警察官による黒人暴行死事件を発端に黒人差別の抗議デモが全米規模で起きた。ロシアでも反体制派指導者のナワリヌイ氏の釈放を求める反体制デモが続いている。イギリスも新型コロナの感染拡大前までは、欧州連合(EU)離脱を巡る再度の国民投票を求めるデモがあり、フランスでは年金改革反対のデモ、そしてベラルーシでは「欧州最後の独裁者」ルカシェンコの退陣を求めるデモが行われていた。
現在、ミャンマーの軍事クーデターに抗議する大規模デモと、それを弾圧する治安部隊の残虐な行為が世界のメデイアから注目されている。この武力弾圧で若者を中心に700人を超える大事な命が奪われているにも拘らず、若者たちは死を覚悟して民主化の歯車を逆戻りさせまいと、連日必死の抵抗運動を続けている。
日本はどうか。近年では反原発や平和安全法制を巡る規模の大きなデモは行われていたが、政治を動かして政策決定に影響を与えるまでには至ってない。
ある外国特派員の寄稿文を読んだとき、日本人として恥ずかしい思いをした。その文章の中で日本人を強く揶揄していたのである。「こうしたこと(政治家・官僚の公文書の隠蔽、改ざん行為等による政治の腐敗)よりもっと悪いのは、日本国民の反応の鈍さである。この鈍さにより、どれだけ政治に無関心であるかが明らかにされた」と。
わたしの場合も、恥ずかしながら福岡での反原発デモに一度参加しただけである。40数年前のことだ。他に参加したくても国会前や沖縄で行われるデモなので、いずれも遠すぎることや「自分一人くらい行かなくても」を口実に不参加を決め込んできた。
隠居生活をする現在、テレビの前で政治家や官僚の不忠を知るたびに一人腹を立てまくり、腹を立てながら一人では何の力もない虚しい現実と向かい合う日々を送っている。SNS上で国民の声を大にしていけば政策決定に影響を与えることができるという見方もあるが、IТ音痴のわたしにはよく理解ができない。
自分で言うのも何だが、今も心のどこかにデモで政治を変える体験をしてみたいという思いはあるみたいだ。