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【街景寸考】「どげぇしたら、そんな元気なん」
Date:2021年11月17日09時31分
Category:
エッセイ
SubCategory:
街景寸考
Area:
指定なし
Writer:
大昭寺いさじ
古希を過ぎたが、今のところすこぶる健康体である。快食、快眠、快便のリズムが実にいい。ちょっとした坂道や階段なら、急ぎ足でも息が乱れることはない。
高齢になってから明らかに体の変化があったことと言えば、屁の頻度が増してきたのと、1回に放つ時間が長めになってきたことくらいだ。これは老化現象によるものだと思われるが、健康に影響はなさそうである。
近所のオヤジから「どげぇしたら、そんな元気なん」と訊かれることがあるが、特に健康のためにこだわったことはしていない。もっとも、この褒め言葉には「ジジイの割には」という前提が伏せられているはずなので、元気の評価を自分なりに割り引いてはいる。
健康の秘訣らしきことを強いて言うなら、ほぼ同じ毎日を繰り返していることだ。朝の9時頃まで布団の中でゴロゴロし、朝食後はボーッと昼までテレビを観る。昼下がりは1時間ほどジョギングをして、その疲れを利用するように昼寝をする。夜はテレビを観ながら文章を紡いだりして過ごし、就寝時は少しだけ本を読んで寝入る。加えて、週2度ほどカミさんと連れ立って買い出しに行き、週3日は野球やソフトボールで体を動かしている。
わたしの母も元気そのものだった。93歳で亡くなる直前まで溌剌としていた。高齢になってからは健康意識が強くなり、安くて栄養価のある胡麻や生卵、納豆などを欠かさず摂り、ストレッチや散歩などもルーティン化して生活の一部にしていた。
そうした成果もあってか、母は同じ80歳、90歳の高齢者に比べて明らかに身体能力が高かった。80代の中頃までは自転車を乗り回し、少しの坂道くらいは上半身を前に倒して立ち漕ぎをして進んでいた。息子のわたしが特に舌を巻いていたのは、電話をするときに大抵は電話帳を見ずにダイヤルを回していたことだ。
晩年から始めた詩吟も、大会ではマイクを使わず譜面も見ずに謡い、周りから驚嘆の目で見られていたようだ。普通に歩いているときでも他の高齢者よりも明らかに速く、そのことがいつしか地元の人たちに知れわたり、地元町立病院の院長から高齢者向けに健康法をテーマに講演してほしいという依頼があったほどだ。
古希を過ぎたわたしも、母のように晩年を過ごしたいという思いが強くなってきた。何歳まで生きられるのか分からないが、何かの病気で健康を害してベッドに寝たまま余生を送ることだけは御免である。母のように病気を寄せつけない強い心身を持ち、カミさんと明るく笑って過ごすような余生を生きて行くことができれば幸いである。
人の寿命は持って生まれた心身の強さが影響しているのは間違いない。一方で天命の下で生かされているという思いもどこかにある。そう思うと、丈夫に生んでくれた亡き母にあらためて感謝し、天にも感謝しなければと思う。
更に、日頃からわたしの健康状態を管理してくれるカミさんに感謝し、いつもわたしたちの健康に気遣ってくれる子どもたちにも感謝である。