あれこれオーストラリア探訪「郵便事情」

 Date:2013年07月16日10時30分 
 Category:地域(海外) 
 SubCategory:あれこれオーストラリア探訪 
 Area:指定なし 
 Writer:三陽生人
オーストラリアに来て何度か小荷物を日本から送ってもらったが、まともに配達されたのは一回だけだった。オーストラリアには届いているのだが、なぜか自宅に配達されないのだ。これには相当に戸惑った。
郵便小包にはEMSという国際スピード郵便がある。少々送料は高めだが、オーストラリアでも5日くらいで届くから有難い。配達物を追跡でき、今どの郵便局にあって、いつ頃アーストラリアに届き、いつ頃近くの郵便局から自宅に届くのか予想できる仕組みだ。

先日も日本から冬服を送ってもらった。追跡をかけたところ、月曜日くらいに自宅へ配送されるのではないかと予測できたため、自宅待機して待っていたが届くことはなかった。
普通に考えて、それだけなら翌日を期待して待てば良いのだが、何故か郵便受けには不在者票が入っていたのである。
ここオーストラリアでは再配達などというサービスは存在しない。駅二つ離れた郵便配送所まで取りに行かなければならないのである。
車があれば何て事はない話だが、車を持たない私には大変な負担なのである。もちろん、タクシーを使うしかないから経済的な負担もバカにならない。

友人からクレームを言ったがいいと言われ電話をしてみたが、辿々しい英語ではクレームにもならない。『It doesn't make sense!』といって、怒って見せるのが精一杯。助言をくれた友人も見兼ねて電話をしてくれたが、本人じゃないから話ができないとの対応。私が代理権を与えるということで、話はしてもらえたが、不在だったからの一点張り。一週間後にもう一度電話をくれれば、それまでに窓口に話をしておくといって交わされたが、結局一週間後に電話しても、以前の話は何処へやらと言った対応で、全く話にならず悪戯に時が過ぎて行くばかりだった。しかも、早く取りに来なければ日本に返送するとまで言われてしまった。

確かに一度か二度は家を開けていた時もあったが、不在者票が入っていた日の大半は家にいたのである。しかも、郵便が届くかもしれないと、いつも以上に気を配ってドアベルの音にも注意を払っていたのに…。
オージーの友人の話では、多くの郵便配達人は最初からドアベルなど鳴らさずに、外の郵便受けに不在者票をいれて行くのだそうだ。面倒だからというのが本音のようだが、実に驚きの郵便事情である。公のこんな実態にも目をつむるオージーの心の広さには感心するが、これはほんの一例に過ぎない。日本がどれほど恵まれているか、ここに居ると色んな場面で痛感させられる。当たり前と思うサービスが当たり前ではないという現実を目の前にした時、『感謝』の二文字が頭に浮かぶ。

冗談ではなく、かなり本気で思っているのだが、家の前に停めた配送車から出てきた郵便配達人が、ドアベルに手もかけずに直接郵便受けに不在者票を入れるところを捕まえたい。