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あれこれオーストラリア探訪「はじめての病院」
Date:2014年12月01日16時26分
Category:
地域(海外)
SubCategory:
あれこれオーストラリア探訪
Area:
指定なし
Writer:
三陽生人
すでに夏真っ盛りだったケアンズへの小旅行を終えて家に戻ってみると、そこはまだまだ肌寒さが残るシドニーだった。ところが、年をとった私の脳はそれほど柔軟ではなかった。なぜかケアンズのあの暑さを引きずり、薄着でもいい感覚に襲われていた。帰宅して二日連続、夜の街に出かけインターナショナルミートアップという雑多な国の人たちが集まる会合に参加したのだが、一緒にいた友人が「寒くないのか」と聞いてくるような格好をしてしまっていた。確かに寒いと感じてはいたのだが、頭は「夏だからこのくらい大丈夫」と判断しているようで、自分でも変な感じだった。そして、帰宅して三日目についに発熱してしまった。オーストラリアに来て初めての風邪を引いたのだ。38.6度は体にかなり応えた。いつもなら一日ゆっくりと寝ていれば良くなるのだが、今回ばかりは熱がアップダウンを繰り返し、なかなか体調が快復しなかった。
すこし熱も下がり外に出る気力も出て来たところで、シティにある病院へ行く事にした。我がユニットの隣にも24時間の大きな病院があるのだが、なにせ日本語が通じないだろうと思われる事と、保険の使い方もよくわからないというのもあり、タウンホールクリニックという、シドニーの日本人には定番のクリニックに行ってみた。
ドクターはオージーだが、日本人のスタッフが多く、通訳もしてくれるので、多くの日本人が利用している。全額保険が利くという安心感もあって通訳もお願いしたが、実際にドクターと話をしてみると専門用語のオンパレードで通訳なしでは全く分からなかった。あらためて自分の英語力のなさが嘆かわしかった。
治りかけに病院に行った理由の一つは、この機会にたくさんの薬をもらっておきたかったからだ。聞くと私にこの病院を紹介してくれた友人はこの病院にかなりの頻度でお世話になっているらしく、先日も病院帰りに我が家を尋ねた彼は、おもむろに病院からもらったという薬をテーブルに出して私を驚かせた。というのも、病院の薬とはいえ、薬局で売っているものと同じで、薬箱には値段も書いてある。彼がもらって来た薬の総額は優に8千円は超えていた。
私もできるだけたくさんの薬をと思ったのだが、治りかけの症状だったからか、彼ほど多くの薬はもらえなかった。とはいえ、4〜5千円くらい分はあったろうか…。
薬は診察室のロッカーみたいな棚の中にぎっしりと詰め置かれていて、ドクターがおもむろにそこから出して来てスタッフに手渡し、スタッフがその薬箱に服用頻度を書いた紙を貼って渡してくれた。あまり日本では見慣れない医者の行動に少々驚いた。
ともあれ、おかげさまで風邪は自然治癒力で完治し、もらった薬は予定通り我が家の置き薬になっている。
ただ、思いもかけず、それまで続けていたストレッチやラジオ体操を再会する気力までは未だに回復しない。「病は気から」とは良く聞くが、こんな事では他の病を誘発しそうで怖い気がする。